Wonder-Powerd You|ホテル&リビング | 箱根 > Blog & NEWS > 【CONNECT #1】中條亜耶(動物画家)

【CONNECT #1】中條亜耶(動物画家)

エンブレムフロー箱根で行っているアート展示”CONNECT”。当ホテルにお越し頂いたお客様と、アートやそれを生み出すアーティストがつながるきっかけを作りたいという願いからスタートしました。今回は展示のひとつ”366Days”や当作品を手掛けたアーティスト 中條亜耶さんについてご紹介します。

アーティスト:中條亜耶

 

神奈川県生まれ。幼少の頃から絵を描くことが好きで、小学5年生の時に初めて日本画に触れる。大学では東京藝術大学で日本画を専攻。卒業後は主に横浜を拠点に制作中。366日を毎日異なる動物の絵で表現した作品”366Days”は現在エンブレムフロー箱根で展示中。

Chujo Aya:https://www.ayachujo.com/work


 クレヨン握って絵を描いていた幼少時代

物心ついた時から絵に興味があって、小さい時からよく絵を描いていたみたいです。幼少期の写真を見ると、クレヨンを握って嬉しそうに笑っている写真が多くて。両親も私が絵が好きだと知って、よく美術館とか展示会に連れて行ってくれたんですよ。

(幼少期の中條さん。自分が描いた傑作と嬉しそうに写真を撮る様子)

 

岩絵具に惚れた10歳の私

日本画との出会いは私が小学5年生の時でした。両親が作家“東山魁夷”さんの展示会に連れて行ってくれて。その時に岩絵具という日本画の代表的な画材の存在を初めて知りました。絵の所々が岩絵具によってキラキラと光っていて、「なにこれ!!!」と今までにない衝撃を受けました。何年も前の話ですけど、その時の感動は今でも忘れられませんね。

大学は両親に勧められ、東京藝術大学に。色々な専攻があったのですが、小さい頃の日本画のキラキラを見た時の感動が蘇り、日本画専攻を受けることに決めたんです。それからは、画材集めに熱中するようになりました。本当に楽しくて楽しくて!先ほどの岩絵具、鉱石を砕いて作られているもので、キラキラとしてるんです。紙に絵の具を乗せた時、ザラザラとした砂絵みたいになるのも面白くて。家に画材を沢山集めてるんですけど、もう見てるだけでほんっとトキメキが止まらないんですよね!

(オンラインでのインタビュー中、家で集める日本画の画材を嬉しそうに見せてくれました。)

 

卒業制作の傍ら1日1匹描いていた動物たち

“366days”という作品、実はもともと作品にするつもりで描いてたものじゃなかったんです。というのも、私が大学4年生の時に卒業制作をしている傍ら、息抜きで描いていたもので。(笑)何も考えず、1日の癒しとして毎日違う動物の絵を描いてたんですよ。4か月という卒業制作の期間ずっと続けていたらそれがどんどん溜まっちゃって(笑)大学卒業して個展をやるとなった時に、せっかくこんなにも集まったのだから、未知の動物も描いてやろう、と作品にすることに決めたんです。(笑)とはいえ、1日1匹描いていると当然ネタも尽きてくるもの。だからネットで調べて、知らない動物や架空の動物の存在もどんどん知っていきましたね。こんな動物もいるんだ、なんでこんな名前付けられているんだろうって毎日新しい発見をしたり、考えを巡らせたりするのも楽しかったです。

(当時ノートの隅に描いていた動物の絵。一番最初に描いた動物はクマだったそうです。)

(ノートの原画)

  

動物が好き。動物は無限の発見をさせてくれる。

なんで動物の絵かというと、単純に私が動物が好きだから。あと動物を描いていると色んな発見があって面白いんですよ。例えば、全く同じ動物でも人によっては色んな解釈があるところとか。例にとると、私が”366Days”を制作する過程で発見した”うみうし”。この動物、日本名は”あおみの”(青蓑)なんですけど、英語名だと”ブルードラゴン”(青い竜)なんです。なんで日本では蓑っていう地味なものに例えられて、外国ではかっこいいドラゴンなんだろうって思いません?(笑)こんな風に、動物の名前や動物を使った比喩表現、架空の動物など、人間の主観で決められていることが意外と多くて。色んな解釈が出来るからこそ、自分の思っていることも間接的に表現できて面白いんですよね。

(ウミウシの写真。日本では”青蓑”、海外では”ブルードラゴン”と呼ぶ)

 

あなただけの”366Days”の楽しみ方

個展”366days”は、色んな楽しみ方をしてほしいです。例えば、自分の誕生日の動物を探してみるとか、好きな動物を探してみるとか。後は、複数枚お気に入りの絵をピックアップしてみて、その絵の共通点を探してみるとか。「気づけば親子連れの動物ばかり選んでた!」「無意識に鳥ばっかり選んでたけど、俺鳥好きなのかな」そんな声がお客様から聞こえてきて、この展示は新たな自分の一面を発見できる場でもあるんだと、気づかされました。

運命の絵に会えるかも

中には運命的な出会いをしたお客様もいるんです。そのお客様は”6月1日・カニ”の絵を買ってくださったんですが、話を伺うと昔ペットとしてカニを飼っていて普段からカニの絵を描いていたそうなんです。それだけで驚きなのですが、なんとその飼ってたカニの名前がなんと”ジュン”と”ジュライ”。June(6月)とジュン、まさに運命ですよね。他にも、猫を飼っている方の誕生日がたまたま猫の絵だったり、結婚記念日の絵が自分のお気に入りの動物だったり。自分の特別の日の動物とか、お気にいりの動物の日付や名前とか、意外とゆかりの深いものだったりするんです。何か発見があるかもとドキドキしながら、展示を楽しんでいただけると嬉しいです。

(運命的な出会いをしたお客様にご購入頂いた”6月1日 ジュン”の絵)

 

世界の動物をその土地で、現地の人と描きたい

“366days”を制作するうちに、今まで見たこともなかった世界中の動物の存在を知りました。だから今度は、海外に行って実際の動物を見に行きたいです。そしてその土地で、現地の人と一緒に動物の絵を描きたいですね。日常でその動物を見ている人と、初めて見る私の捉え方がどう絵に表れるのか、とても興味深いです。そうやって、好きな動物を描き続けながら、色んな人の感性に触れ、世界中の人に絵を見てもらう、それが私のこれからの夢です!

(海外に行ったときに見た動物たち②)

(海外に行ったときに見た動物たち③)

 

中條さんの想いがぎっしりと詰まった”366days”。

是非ホテルに足を運び、あなただけのお気に入りの一枚を探してみては?